華家+透姫水の合同サークル オフライン情報ブログ
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ちゅーがテーマの詰め合わせミハアル!
★☆豪華ゲスト様☆★
J様:Onyx
ひろむ様:ガラクタノホシ
ひだか様:KALU-MEN99
雅様:ハルカナタ
清水真純様:ガラスノソラ
タケゾー様:Flying Spider
七瀬水城様:透姫水
■ 84P ■ 2010/12/29■ 800円
ええっと。
ミハエルは口唇を引き結んで、心の中で呟いた。
目の前には、制服の裾をぎゅっと握って、瞳をぎゅっとつむって、桜色の口唇をぎゅっと結んだ、可愛らしい恋人がいる。
これはどうしたものだろう、と思わざるを得ない。
すっと腕を上げると、気配を察知したのかその肩がびくっと揺れる。
こんな状態で、どうしてキスができるだろう。
―いや可愛いんだ。可愛いんだけどさ
手を出したらいけないような気持ちになってくる、とミハエルは気づかれないように小さく息を吐く。
「アルト、アルト?」
「え、あっ?」
ミハエルの呼びかけに、早乙女アルトはハッとして目を開け顔を上げる。染まった頬は扇情的だった。
「そんな緊張しなくても、食ったりしないぜ?」
「あっ、あの、でも俺、やっぱりこういうの全然慣れてなくて……」
どうしたらいいか分からない、とシャツの裾を握ったまま視線をナナメ下に移す。その仕種さえ男心をくすぐるなんてこと、この男は知らないのだろう。
「アルトは、つきあうの俺が初めてなんだっけ」
訊ねたミハエルに、アルトは少しためらってこくんと頷く。
十七歳高校二年生、この年齢でこの容姿で、誰とも深いつきあいをしたことがないと言うのは、彼にとってそんなに恥ずかしいことなのだろうか。
いや、この容姿だからこそ、女性とおつきあいをしたことがないのか、ともミハエルは思う。
恋人である早乙女アルトは、立派な成人男子だ。
今でこそ、航宙科パイロット養成コースの次席、およびS.M.Sスカル小隊のパイロットとして日々を送っているが、以前は歌舞伎宗家・早乙女一座の天才女形として脚光を浴びていた。
男でありながら女を演じるアルトは、やはり誰よりも女らしく、見る者の目を瞠らせる。
ミハエルも、目を奪われた者の一人だ。
恋をしていると気がついて、ずっと傍で見つめてきて、航宙科で友人として触れ合って、耐えきれずに告げた想いは思いもかけず受け入れられて、こうして恋人と呼べるポジションになった。
「おっ、お前は慣れてるんだろうけど! 俺は…」
別に俺が悪いんじゃない、と若干潤んだ瞳で振り返られて、理性は決壊寸前だ。このまま無理にでも口づけてかき抱いて自分のものにしてしまいたい。
以前女性とつきあっていた時は、こんな風に思うことはなかった。
そもそもが、肉体の関係を目的としたつきあいだったから、グラマーな肢体をモノにできることが前提にあったのだ。
こんなに、飢えるほど求めたりはしなかった。
「アルトだって、舞台の上では経験あるだろう?」
「舞台の話はするな!」
カッとなってアルトは叫ぶ。
親の言うままに生きてきた自分を、まだ認め切れていないアルトにとって、昔のことを話題にされるのは心が痛むのだ。
「なんでそんなに、毛嫌いするんだ。俺がアルトっていう人間を認識したきっかけなんだぞ?」
本当に綺麗だったのに、とミハエルはあやすように囁いた。
両親を亡くしてヤケになっていた時期に、無理矢理つれて行かれたカブキの舞台。
そこで、運命のひとに出逢ってしまった。
ミハエルは口唇を引き結んで、心の中で呟いた。
目の前には、制服の裾をぎゅっと握って、瞳をぎゅっとつむって、桜色の口唇をぎゅっと結んだ、可愛らしい恋人がいる。
これはどうしたものだろう、と思わざるを得ない。
すっと腕を上げると、気配を察知したのかその肩がびくっと揺れる。
こんな状態で、どうしてキスができるだろう。
―いや可愛いんだ。可愛いんだけどさ
手を出したらいけないような気持ちになってくる、とミハエルは気づかれないように小さく息を吐く。
「アルト、アルト?」
「え、あっ?」
ミハエルの呼びかけに、早乙女アルトはハッとして目を開け顔を上げる。染まった頬は扇情的だった。
「そんな緊張しなくても、食ったりしないぜ?」
「あっ、あの、でも俺、やっぱりこういうの全然慣れてなくて……」
どうしたらいいか分からない、とシャツの裾を握ったまま視線をナナメ下に移す。その仕種さえ男心をくすぐるなんてこと、この男は知らないのだろう。
「アルトは、つきあうの俺が初めてなんだっけ」
訊ねたミハエルに、アルトは少しためらってこくんと頷く。
十七歳高校二年生、この年齢でこの容姿で、誰とも深いつきあいをしたことがないと言うのは、彼にとってそんなに恥ずかしいことなのだろうか。
いや、この容姿だからこそ、女性とおつきあいをしたことがないのか、ともミハエルは思う。
恋人である早乙女アルトは、立派な成人男子だ。
今でこそ、航宙科パイロット養成コースの次席、およびS.M.Sスカル小隊のパイロットとして日々を送っているが、以前は歌舞伎宗家・早乙女一座の天才女形として脚光を浴びていた。
男でありながら女を演じるアルトは、やはり誰よりも女らしく、見る者の目を瞠らせる。
ミハエルも、目を奪われた者の一人だ。
恋をしていると気がついて、ずっと傍で見つめてきて、航宙科で友人として触れ合って、耐えきれずに告げた想いは思いもかけず受け入れられて、こうして恋人と呼べるポジションになった。
「おっ、お前は慣れてるんだろうけど! 俺は…」
別に俺が悪いんじゃない、と若干潤んだ瞳で振り返られて、理性は決壊寸前だ。このまま無理にでも口づけてかき抱いて自分のものにしてしまいたい。
以前女性とつきあっていた時は、こんな風に思うことはなかった。
そもそもが、肉体の関係を目的としたつきあいだったから、グラマーな肢体をモノにできることが前提にあったのだ。
こんなに、飢えるほど求めたりはしなかった。
「アルトだって、舞台の上では経験あるだろう?」
「舞台の話はするな!」
カッとなってアルトは叫ぶ。
親の言うままに生きてきた自分を、まだ認め切れていないアルトにとって、昔のことを話題にされるのは心が痛むのだ。
「なんでそんなに、毛嫌いするんだ。俺がアルトっていう人間を認識したきっかけなんだぞ?」
本当に綺麗だったのに、とミハエルはあやすように囁いた。
両親を亡くしてヤケになっていた時期に、無理矢理つれて行かれたカブキの舞台。
そこで、運命のひとに出逢ってしまった。
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